-飲食店の存在意義-
いまから数年前のある日、店舗をのぞきに行くと、5歳くらいの男の子が『おいしい。』
と笑顔で河童ラーメンを食べてくれていました。
いまはお父さんとお母さんに連れられてうちのラーメンを食べに来てくれているその男の子が、食べ盛りの中高生になった時には、
友達と一緒に食べに来てくれる。
社会人になって外食する機会が増え、舌が肥えてきた時にも、
同僚や部下を連れて食べに来てくれる。
彼女には「あんた、ここのラーメンほんまに好きやな。」と少々愛想を尽かされ気味でも、一緒に食べに来てくれる。
やがて彼らが結婚して
親となった時には、自分の子供を連れて来て、『ここのラーメン美味しいやろ。お父さん、ちっちゃい時からずっと食べてんねんで。』と
言ってくれる。
そして、人生を振り返るくらいの年齢になって食べに来た時に、ふと、
『あんな時もこんな時もよく食べに来たなぁ。いまも変わらず美味しいラーメンや。』と思ってくれる・・・。
お客さまにとって、そんな店でありたい。ひとりでも多くのお客さまにそうなって頂きたい。
勝手な妄想を抱きながら、
そう思いました。
そして、その想いを実現するためには、ずっと営業し続けることができる店でないといけません。
そもそも飲食店経営の根本は、お客さまにお支払い頂く価格に相応しい料理と環境を提供すること。
すなわち、居心地の良い場所で、
美味しいものを良いサービスで食べて頂くことです。
本来はそれだけで十分だったのかも知れません。
しかし飲食店が乱立する現在は、それに加えて、より良いおもてなしと雰囲気作りも
重要となってきました。
ここ数年において、食材偽装や食中毒の事件が相次いで起こっています。
食の大前提である安心と
安全とは何か、を改めて見直すことも必要です。
Quality(品質) Service(奉仕) Cleanliness(清潔) Hospitality(おもてなし)
Atmosphere(雰囲気) Relief(安心) Safety(安全)
いまの飲食店に求められるもの、飲食店の存在意義は多種多様になってきました。
それらを追求し、更に向上させることが我々の使命であるのですが、最も大切なことは、その活動を何度も繰り返し、
営業を永年続けることだと思っています。
私にも、子供の頃から今も食べ続けているもの、通い続けている飲食店があります。
しかし逆に、とても好きだったのに、お店を廃業されてしまったので食べられなくなったものもあります。
店の営業をやめることでお客さまに残念な思いをさせてしまう。それは、してはならないことなのです。
子供の頃から、そして大人になってもずっと食べに来て頂ける、そんな何十年も続く店作りをするために、いまやるべきことは何なのか・・・。
そういう想いで、飲食店経営をしています。
" 念願は人格を決定す 継続は力なり "
平成29年6月1日
関西フードサービス株式会社
代表取締役 米岡 潤